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私たちのこだわり
チモシー乾草の購入基準成分値

チモシー乾草の購入基準成分値

ホクチクでは馬の健康を第一に考え、硝酸塩(硝酸態窒素)の少ない輸入チモシー乾草を優先的に選別し購入しています。

輸入チモシー乾草(1番・2番刈り)の選別基準は以下の4項目です。
※成分含量はすべて乾物中で表記

1. 硝酸塩(Nitrate):1,000ppm以下または硝酸態窒素(Nitrate Nitrogen):225ppm以下

植物にとっての硝酸塩

植物は、土壌中の硝酸態窒素を吸いとり、それを材料にタンパク質をつくります。施肥量や生育環境によっては、窒素がタンパク質に合成されずに硝酸塩として蓄積した牧草ができることがあります。

ウシでは、硝酸塩を過剰に摂取した場合(硝酸塩として3,000ppm以上)、栄養として利用されなかった硝酸塩が硝酸イオンから亜硝酸イオンとなり、それが血液中に含まれるヘモグロビン(に含まれる鉄)と結合し、酸欠状態になります。

ウマにおいても、疝痛や下痢、胎児の肢軸異常、繁殖牝馬の流産の要因になるといわれています。

参考文献:

  • Orucら(2010) Nitrate poisoning in horses associated with ingestion of forage and alfalfa
  • Neridaら(2021) Nutritional and non-nutritional aspects of forage

硝酸塩と粗タンパク質

粗タンパク質(CP, Crude Protein)は、飼料中の窒素含量から計算されます。このなかには非タンパク態窒素である硝酸塩も含まれます。つまり、一見するとCP含量が高い牧草のなかにはタンパク質ではない硝酸塩が多く含まれている可能性があり、注意が必要です。

2.粗タンパク質(CP):8%以上

CP8%以上のチモシー乾草を、サラブレッド成馬(体重500kg)が1日中食べることができれば(乾物10kg)、それだけでCPとして800g摂取しており、運動などをしていない馬にとっては十分なCP摂取量を確保できます(充足率121%)。

それはパフォーマンスを求められる競走馬や繁殖牝馬にとっても同様で、十分なCP摂取量を確保できる優秀なチモシー乾草といえます。

3.中性デタージェント繊維(NDF):65%以下

4.酸性デタージェント繊維(ADF):42%以下

牧草は生育していくと栄養価が低下していきます。すなわち、タンパク質やデンプンといった採用内容物に含まれる栄養素が減っていくと同時に、NDF(Neutral Detergent Fiber)やADF(Acid Detergent Fiber)といった繊維成分が増えていき、可消化成分含量が低くなるためです。

NDFは「総繊維」とも呼ばれ、NDFが増えていくことは「ガサが増える」ことといえます。

一方ADFは、NDFのなかでも消化しづらい繊維を示しています。ADF含量が高い草は、消化率が低く、食べても身にならない(エネルギーにならない)草の可能性があります。

ホクチクでは、採食量や消化率を確保しつつ、ウマの消化管内にいる微生物の健康に配慮した目安として、チモシー乾草の購入基準をNDF65%以下、ADF42%以下と定めています。

まとめ

ホクチクのチモシー乾草購入基準(すべて乾物中)

  1. 硝酸塩(Nitrate)1,000ppm以下または硝酸態窒素(Nitrate Nitrogen)225ppm以下
  2. 粗タンパク質(CP)8%以上
  3. 中性デタージェント繊維(NDF)65%以下
  4. 酸性デタージェント繊維(ADF)42%以下